司法アンテナ~司法関係の総合情報ブログ~

弁護士、法科大学院、司法試験、司法修習の情報をどんどん垂れ流していきます!

司法試験合格者からみる弁護士の就活事情~法律事務所編~

 

合格までに多大な犠牲を払う司法試験ですが、合格した後のキャリアはどうなるのでしょうか。

 

司法試験が5月中旬に終わったら、すぐに就活が始まります。そのため、将来のキャリアを考える時間がないまま就活を迎える方が多いです。
私も何も考えずに回りに流されて就活をしてしまいました。
でも、ちょっと待って!!

 

人生を左右する選択をそんな簡単に決めていいのでしょうか。

 

弁護士の就活事情について、司法試験合格者視点からみてみたいと思います。

 

f:id:lawsalon:20161120222503p:plain

・大手法律事務所への就職
いわゆる5大法律事務所への就職です。
具体的には、TMI総合法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、西村あさひ法律事務所、森・濱田松本法律事務所です。
どの法律事務所も初任給は1000万円を越える、企業法務を中心に行うため、就活生からも大変人気が高く、毎年1000人をこえる就活生が志望します。
しかし、5大法律事務所全体での採用人数は年によりますが、およそ100人から150人程度で、非常に狭き門です。しかも多くは予備試験合格者、東大、京大、一橋、早慶、中央の学部やロースクール出身の成績優秀者が占めるため、ある程度の能力が必要です。
採用されたらラッキー程度と思いましょう。

 

f:id:lawsalon:20161120222642p:plain

 

外資系法律事務所への就職
英国系の法律事務所であれば、アレン・アンド・オーヴェリー外国法共同事業、クリフォードチャンス法律事務所、フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所、外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ等が有名です。

米国系であれば、ベーカー&マッケンジー法律事務所、ホワイト&ケース法律事務所、モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所、ポールヘイスティングス法律事務所等が有名です。
これらの事務所は大手法律事務所と比べても給料が高く、世界的にも著名であることから就活生にも人気です。
ただし、採用人数は1つの事務所につき0~10名程度とかなり少ないため、大手法律事務所よりもさらに学歴や試験の成績が重視されます。
もちろん例外もありますが、外資系法律事務所を目指すのであれば、予備試験合格か、超上位大学の学部やロースクール出身であることを要します。
なお、英語能力もある程度は必要ですが、強く重視されている訳ではないようです。

 

f:id:lawsalon:20161120222723p:plain

・中小法律事務所への就職
多くの就活生はこの進路を選ぶことになります。
ただ、中小法律事務所でも規模が百人を超えるところから、数人のところまで大小様々で、一般的に採用人数は数名程度でしょう。

中小法律事務所の就活では、もちろん履歴書を送って面接を行うことも多いですが、コネ採用も多いためロースクール在学中や、司法試験後に積極的に繋がりを作ることが大切です。

・その他の進路
他にも最近は、一年目から自分の事務所を立ち上げるという、いわゆる即独も増えています。
また、司法試験に合格したからといって必ずしも法律事務所にこだわる必要はないでしょう。
最近は企業内弁護士(インハウスローイヤー)も増えています。さらに、国家公務員になる人も一定数います。
自分に何が向いているかをキチンと考え、法律事務所以外への就活も視野に入れるべきです。

 

いかがでしたか?
就活を始める前にもう一度、自分を見つめ直し、将来のキャリアについて考えてみてください!!