司法アンテナ~司法関係の総合情報ブログ~

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弁護士のインハウスへの転職(1)企業を選ぶ弁護士は増えている?

 

今回は、「弁護士のインハウスへの転職」について、記載していきます。
 
弁護士は、転職することが非常に多いと言われています。
 
それは、大手にいても、中小にいても同じこと。
 
より幅広いスキルを積むため、より高い報酬を得るため、優秀な弁護士の多くは、転職に積極的です。
 
特に、近年では、若手弁護士のインハウスへの転職が増加しています。
 
では、なぜ、この増加が生じているのでしょう?
 
 
 
 
 

(1)弁護士報酬の低下

 

理由の一つは、近年の弁護士費用の低下です。

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以下、「弁護士登録1年目~15年目までの平均年収(2015年)」を記載します。

 

 

1年目・・・568万円   5年前と比べ、210万円(27%)減

 

5年目・・・1412万円  5年前と比べ、 754万円(35%)減

 

10年目・・・2251万円  5年前と比べ、 406万円(15%)減

 

15年目・・・3085万円  5年前と比べ、 617万円(16%)減

 

この理由として、「債務整理案件がピークを過ぎたこと」や「弁護士余り」などが指摘されています。

 

 

 

 

(2)ワークライフバランス

 

 

最も大きな理由が、これです。

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企業内では、法律事務所と違い、労働基準法が適用されます。

 

その分、勤務時間が短くなり、ワークライフバランスは確保されやすい環境となっています。

 

インハウスの勤務時間は9〜10時間が38%ともっとも多く、次いで8〜9時間の31.8%と、10時間未満が70%を占めています。

 

 

 

 

(3)経験値稼ぎ

 

 

インハウスをスキルアップに利用する方もいます。

 

リーガルリスクやレピュテーションリスクの管理について、企業に最も近い位置で学ぶには、インハウスは打ってつけです。

 

実際に、法律事務所で素養を身に着けた後に、企業でインハウスとして働き、その経歴を買われ、再び法律事務所に呼び戻されるという経歴の方は少なくありません。

 

 

 

 

 

 

以上が、インハウスが増加している大きな理由です。

 

しかし、WEB契約サービスの充実やAI(人工知能)の台頭で、現在、弁護士業界は転換期です。

 

今後、この流れがどう変化するかは、分かりません。

 

法律事務所とインハウス、どちらの道を選択したとしても、新しい情報を取りこぼさない様、アンテナを張り続けることが大切になると思います。

 

今回は、以上です。